79億円の申告漏れと前会長の美術品購入の「中部電力」

 去る5月14日の『読売』には“中部電力9億円所得隠し”という記事が出ていた。<・・・送電線敷設などに伴って地権者に支払った補償費を巡り、2003年3月期までの5年間で約9億円の所得隠しを指摘され、追微課税されていたことが13日わかった。>この記事の中に追微課税の金額は明記されていない。

 しかし発電所設備の償却を否認された分などを含めると、申告漏れの総額は約79億円に上り、名古屋国税局は重加算税を含めて約27億円を追微したという。ふしぎなのは、これほど莫大なゴマカシがあっても、“罪金”さえ納めれば事件にはしないという法的仕組みがまちがっていると思うのだが・・・。

 さて、この「中部電力」での最近の不祥事としては、前会長の太田宏次に約4億円の賠償の支払いを求めている。これは太田が会社の資金で買い集めた古美術の多くは贋作、つまり偽物で、5億4000万円投じたのに、鑑定では1億円の価値しかなかったというもの。「太田の暴走を許した背景には電力会社そのものに、そうした体質がある」と指摘する声もある。

 電力会社は、その地域においては経済界のリーダーで、トップともなれば相当の影響力と名誉、社会的地位がある。それを自分の力と勘違いしているが、会社は株主のものであり、消費者が支払う電気料金で成り立っていることをトップは自戒しなければならない。
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