「桑原組」が“新会社”で「処分逃れ」国務省「法的にやむを得ない」

 この、「桑原組」が 滋賀県大津市 に「KEC」という新会社を設立し、9月には建設業許可を国から取得していた。そして11月1日付で、「桑原組」本体の建設部門を230人の従業員と共に「KEC」に移してしまった。

 従来の「桑原組」は、コンクリートやアスファルトなどの生産部門を残すだけで、近く、建設業務を廃止するという。前項に揚げたように「桑原組」が建設した豊郷小学校は、町側が一審二審とも敗訴し、最高裁に上告したが、二審で勝訴した住民側は、すでに町や「桑原組」に損害賠償請求訴訟を起こす構えだ。

 一方、小学校の工事を受注した「桑原組」は、豊郷町 住民から、約19億円の返還請求を起こされる可能性が高いのと、自らの「有印私文書偽造、同行使」の疑いで今年1月に滋賀県警によって数人が逮捕され、建設業許可の取り消しの行政処分を受ける可能性があった。

 ところが「桑原組」が建設業を“廃業”したことによって行政処分は免れるし、小学校工事代金返還訴訟があった場合でも、「桑原組」はすでに返還能力を失っているため、実質的な対象にならないようにした、という悪知恵が見え見えだ。また、株主の持株状況は分からない。

 しかし、「桑原組」が受注している滋賀県発注の公共工事は4件あり、新会社の「KEC」が引き継いでいる。こんな姑息な手段で社会的責任を逃れられるなら、悪徳企業はのさばるだけだ。


桑原組の廃業を伝える新聞

文化財としての評価も高い旧「豊郷小学校」

 こうした悪質な“処分逃れ”に対し、国交省近畿地方整備局は「市民感情からすればおかしいかも知れないが、法的にやむを得ない」という。

 これでは、罪を犯した人間が、氏名を変え、住居を移転すれば罰することができないと言っているのと同じで、石が流れて木の葉が沈むほどの仰天しそうな事態だ。そこで国交省の本省に具体的に質問してみた。

 しかし国交省は、「権利義務の継承がどうなのかは、当方としては関与すべきではなく、新会社については要件が整っている以上許可しないわけにはいかないのです」と言う。「KEC」が提出した建設業の許可申請書類には、「桑原」姓の者は一人も入ってないという。

 「桑原組」は滋賀県高島郡安曇川(あどがわ)に1964年7月に設立され、これまでの資本金は8000万円。同社は県内最大手の建設会社だが、辞任した“会長”は暴力団元会津小鉄会四代目高山登久太郎の若い衆だったといい、副会長・社長・副社長・取締役と幹部は親族が5人もいる同族会社。

 そして、県発注の公共工事をはじめ「国交省」「道路公団」「水資源公団」「都市公団」などの公共工事が多く、これでは国民の税金が迂回して暴力団の資金源になっていたことになる。



―関連記事―

―滋賀県― 豊郷町小学校舎破壊損害賠償訴訟 最高裁は大野町長を“門前払い”【06/11/20】
―滋賀県― 豊郷町長が窮地に 大野町長の「不起訴は不当」と検審会(05.8)
―滋賀県― 豊郷町長大野和三郎の“ヤケクソ”(04.12)
[戻る]
Copyright (C) Kusano Hiroshi. All Rights Reserved.