“冬の時代”に逆戻りのロシア

 かつて旧ソビエトのスターリン時代、「ドクトル・ジバゴ」という小説を書いたボリス・パステールナークという作家は、ノーベル文学賞の辞退を強要されるなどの迫害を受け、他国へ亡命したことがある。9月はじめにロシアの北オセチア共和国で起きた学校テロ事件は、500人以上の死者を出した惨劇だった。

 この情景は繰り返しテレビで放映され、武装勢力も30人以上が射殺された。

 ロシアのプーチン大統領は「前例の無い非人間的なテロリストの犯罪だ」とこの事件を激しく批判した。そしてアメリカのブッシュ大統領を真似てか、「テロに強い国家」を目指す方針を明らかにした。そして「国家の安全に責任を持つ強い治安機関を設立する」ことを表明した。これはかつての「KGB」に匹敵する機関だという。

 この学校テロ事件では、一部報道によると9月4日付の『イズべスチア』などは見出しもなく、少女を救い出して逃げる写真だけを掲載し、6日には編集長が突然辞任し、これが解任されたとの見方も浮上した。これは、明らかに”言論統制”に対するレジスタンスの意思表示で、経営者側は、政府批判になることを避けたというしかない。

 最近では、強権的なプーチン政権を批判する反骨ジャーナリストには、マスコミから声がかからなくなっているといい、これでは200年に及ぶチェチェンとの確執は当分消えないだろう。
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