―山梨県― < 都留市 ・ 道志村 合併問題>(2)

 合併に賛成すれば「道路を舗装してやる」

 この「都留市」と「道志村」が合併すれば、合併後には約85億円の特例債が国から交付される。「道志村」村長の佐藤は、もともと土建屋で「佐藤工業所」を経営していて、村長に当選してからは息子が会社を引き継ぎ「山梨県」や「道志村」の公共工事に参入、受注している。佐藤は現在で、村長を4期目。

 その選挙戦での金の使い方は、「1票10万円どころか数十万円の場合もある」と村民は言う。「ここは閉鎖的な村だから外部にはなかなか漏れない。一説には前回の選挙で3億円ばらまいた、とも言われています」(村民)という。

 そうした選挙に投じた金を取り戻すには、「都留市」との合併によって「都留市」の地元業者として公共工事を「佐藤工業所」が受注できる、との思惑がはたらいて、「だから強引に合併に突き進んできた」と断言する関係者もいるほど佐藤の合併に対する執念は異常だった。

 ちょうど「法定協」設置を協議した昨年10月29日の朝7時頃佐藤は「任意協」委員S・Tの自宅を訪れた。そこで「法定協議会設置に賛成してくれれば、要望している村道舗装工事をしてやる」ともちかけた。



 しかし会合でS・Tが反対の姿勢を示したところ、11月3日に再度S・Tの自宅を訪問、「委員を辞職してほしい。辞職すれば工事を行う」などといったという。

 また、別の「任意協」の委員の自宅には、早朝の4時40分頃訪問、2時間も座り込んで「辞職しろ」と迫ったという。そこで「辞めない」というと「罷免するぞ」と脅されたという。

 しかし去る12月6日、合併にむけて“狂奔”した「道志村」村長佐藤卓司の数々の謀略的説得工作も功を奏することなく、「道志村」村議会は「都留市」との合併を否決し、単独で生き抜く道を選択した。

 佐藤は村議会閉会後の記者会見で「議会が出した判断であり、厳粛に受け止めたい。合併は断念するしかない」と語り、無念さをにじませ「村議会の判断は残念」とも述べた。

 この「残念」といった未練がましい村長の佐藤卓司はその言葉通り“合併”をまだ諦めていない。それというのも、否決されたあとの昨年12月20日の午前11時ごろ、村長選挙で佐藤の参謀を勤めた人物の息子と義弟の二人を役場に呼んで“合併”への謀議をめぐらしている。

 その方策のひとつは「住民発議」によって、5分の1の合併賛成"署名"があれば、「法定協議会」へ移行できるが、結果的にはまた村議会の承認が必要となる。この合併問題の当初すでに「住民意向調査」で百数十票の差とはいえ、“合併反対”が過半数を占めている以上、村長佐藤の行為は愚挙といわざるを得ない。ところが、昨年12月20日に佐藤に呼ばれて村役場を訪れた2人は、その直後に村民50分の1に当る35名の“署名”を集め、選管がこれを審査しているという。

 50分の1の"賛成署名"があれば、再度村議会で審議することができるということからの策略だろうが、佐藤は、次の議会で議員の“寝返り”に自信を持ったのかも知れない。

 村民も、村議会も、役場職員の大半も“合併”を嫌がっている。その結果村議会で否決されたのだから、素直に受け止めるべきなのに、「この期に及んで」まだ"合併"への執念を断てないとは佐藤の正常な判断を司る思考回路が、破綻しているといってもいいすぎではあるまい。

 「すでに地方交付税も前年並みに国から給付されることも決まっているのに」という村民の声もある。「道志村」は山あいの2100人の小さな村。“蕎麦処”も“温泉”も村営でしのいでいるが、どこよりも誇れる道志川の清流は、神奈川県にその水を供給し県民ののどを潤している。そんな山里の村民が金で村のリーダーを選ぶ時代はもう終わりにしなければならない。


 
  道志川の清流



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