亀井静香の虚像と実像(7)

「住都公団」への“口利き”で秘書に疑惑

 2000年6月30日、元建設大臣中尾栄一が東京地裁特捜部に逮捕された。当時、東京地検は許永中の関連捜査を続けていて、疑獄事件を扱う「特殊直告一班と二班が合同」で捜査に当たり、加えて脱税などを摘発する財政経済班の検事らも合流、40人近い第一線検事による大捜査網を敷いた。

 東京地検の狙いは、中尾栄一の逮捕に端を発したゼネコンと政官の癒着の解明だった。問題になった「若築建設」が中尾にワイロを渡した96年5月から10月にかけて、旧「建設省」の高級官僚が接待を受けていた。接待の場所は向島の料亭で、96年7月に旧「建設省」官房長だった伴のぼるが事務次官に就任した人事移動の際にも中尾とともに接待されていた。この伴が事務次官時代、亀井が建設大臣に就任した。

  
     疑惑だらけの亀井静香

 余談になるが、伴が事務次官に昇格するまでの前任者は、一昨年国会に参考人招致され、国交省大臣に道路公団総裁の職を解かれた藤井治芳で、「若築建設」から600万円が振り込まれていたことが判明した人物。前述したように、亀井が建設大臣時代の事務次官であってみれば、役所の事務方のトップとはいえ、大臣には服従せざるを得ない。

 まして向島の料亭で「若築建設」の“毒饅頭”を食べたほどダーティーなご仁であれば推して知るべし。東京地検特捜部は“亀井逮捕”まで視野に入れて、00年4月23日に亀井本人と“金庫番”といわれる秘書の高橋志郎と2人から事情を聴くべく連絡したが、亀井はこれを拒否している。やむを得ず高橋を五反田にある東京地検特捜部の分室で3時間にわたって事情聴取したという。この事情聴取は「住都公団」の警備業務に係るトラブルだったという。

 当時、伴は「住都公団」の副総裁。亀井が大臣時代は、高橋は“大臣秘書”という立場で伴は事務次官だった。その伴が「住都公団」副総裁に天下りしたことにより、高橋は「伴副総裁に口を利いて仕事を紹介してやる」と地元の警備会社に声をかけ、企業から“紹介料”を受け取っていた、のだという。

 神奈川県内の“口利き”を依頼した警備会社は、当然ながら「住都公団」の警備を受注できると期待したが実現しなかった。その受注できなかった警備会社が横浜地検に告発した。亀井は当時は自民党政調会長の要職にあり、その秘書が“詐欺まがい”のウソを言ってカネを取った、というのだから東京地検特捜部はこれを亀井に関する疑惑解明の突破口とみて色めき立った。

 この告発は、もともと横浜地検に持ち込まれたものを、横浜地検がわざわざ東京地検に告発し直すよう説得、高橋を五反田に呼んで事情聴取したものだった。
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 疑惑だらけの代議士 亀井静香の虚像と実像
 
    [亀井静香プロフィール]

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