亀井静香の虚像と実像(3)

「JAL」の“アルバイト客室乗務員”採用計画を潰す




 もう少し「ジェイ・エス・エス」という会社について述べるが、資本金1億円は前項で述べた通りだが、従業員は800人。設立は昭和63年2月。その<目的>には「警備業法に基づく業務」、「海外における邦人の身体・生命・財産及び日系企業の財産・企業活動に関する安全対策の調整及びコンサルテーション業務」など、9項目に及んでいる。「ジェイ社」のホームページを検索すると、<ハイジャック防止等検査>は、「神戸空港」(国内線)。<受託手荷物検査>は、「成田空港」(国際・国内線)、「関西空港」(国際線)、「那覇空港」(国内線)で業務を行っていることが記されている。

 この他、昨年4月から「羽田空港」にも営業所を設けているが、これが“天王洲”の「JAL」本社の一角にある、というのだから、公共性の高い航空会社としては大変な“優遇ぶり”で、しかも“国会議員亀井静香”の企業なのだからゆ着し過ぎではないのか。もっとも「ジェイ社」に対する「JAL」の5000万円の出資も、亀井から出資を依頼して実行されたものであり、亀井本人も「自分が産みの親」を自認している。

 いやしくも、国会議員たるものが、一企業に出資を依頼すること自体、下劣な人間性をむき出しにしたものでモラルの欠如も著しいのだが、それを聞き入れた「JAL」の幹部も企業を私物化したことになる。それが取締役会で了承されたのであれば、「JAL」は2番目の大株主となっている糸山英太郎とともに、厄介な奴らの食いものにされてゆくだけだ。「これではいけない」という“良識派”が「JAL」にもいたらしく、平成5年秋の「関西空港」の“開港”を睨んで、「JAL」が100パーセント出資の新しい警備会社を設立しようとした。この企画を知った亀井は激怒した。そして平成6年6月30日、亀井は運輸大臣に就任するや、「JAL」の“アルバイト客室乗務員”の採用計画にいきなりケチをつけた。

 この採用計画が、本当に安全上問題があるかどうかの検討もなく、運輸大臣の“強権発動”で計画の撤回を迫った。この採用計画は、「JAL」が時間をかけて検討し、旧「運輸省」当局も了解していた。亀井は「緊急時の一体感に欠ける。絶対に認めない」と言い張っただけでなく、指示に従わない会社は「増便の認可などで対応せざるを得ない」とまで言明した。「JAL」は、4年間で700人を採用する予定だったが、「年末までに新しい雇用条件」を検討すると亀井の剣幕に屈服した形で、この計画を引っ込めてしまった。

“アルバイト客室常務員”の採用計画を潰したものの亀井の怒りはこれで収まらなかった。

 亀井は同じ8月末に、今度は「JAL」の「ドリームエキスプレス」に噛みついた。これは、機体に「ミッキーマウス」を描くというアイディアで、それでも「JAL」は2年間ぐらい飛ばしていた。「JAL」は「人気獲得のためのアイディアなのに」と困惑した。

 「自分が産みの親だ」と公言してはばからない亀井は「ジェイ社」に5000万円出資させておきながら、ここまで「JAL」を“恫喝”するのだから普通の神経の持ち主ではなく、なまじ権力を持っただけに“気狂いに刃物”で、暴力団よりタチが悪い。
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 疑惑だらけの代議士 亀井静香の虚像と実像
 
    [亀井静香プロフィール]

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