亀井静香の虚像と実像(11)

“亀井凋落”で「橋梁談合」政界ルートへも飛び火か

 「仕置人」は、この「亀井静香の虚像と実像」の第5回に“審査不合格”の「ジェイ社」に温情の「日本道路公団」を載せている。ここに出てくる「ジェイ社」とは亀井のファミリー企業で、不合格となった「ジェイ社」に温情をかけた「日本道路公団」が、再審査で道路管理業務への入札をパスさせて受注させたというものだった。

 この受注が平成12年6月だったことから、平成11年に建設大臣に就任していた亀井が「“圧力”をかけたのではないか」ということで参議院運輸委員会で問題になり、東京地検特捜部が「日本道路公団」の理事をはじめ、関係者から事情聴取を行った、という経緯がある。

 この捜査は、東京地検特捜部が並々ならぬ意欲を伺わせたが結局頓挫してしまった。この度は、「日本道路公団」発注の鋼鉄製橋梁工事を巡る談合事件で、「公団」が組織的に談合に関与していた疑いが濃い、として去る8月19日には「官製談合防止法」の適用を視野に、「公正取引委員会」が関係者の事情聴取に乗り出すことになったが、この一連の談合事件では“政界ルート”が手つかずのままで欠落している。

  
    逮捕された「公団」副総裁の内田道雄

「道路を握ってこそ一人前」と言われるほど自民党政治家の利権の中核である「日本道路公団」を摘発したのに、“政界ルート”に手をつけられないほどの“政界”と“検察”に癒着があるのか。自民党“道路族”のドンといえば参議院幹事長の青木幹雄と、逮捕、起訴された副総裁の内田道雄が良好な関係だったというし、他には古賀誠、扇千景(元国交大臣)。そして元建設大臣の亀井静香は、先に更迭された前総裁藤井治芳とのパイプは太かった。ところが小泉政権の誕生後「日本道路公団」の民営化が政権の目玉の一つとなり、「民営化委員会」によってその隠ぺい体質が嫌われ、藤井は追いつめられてしまった。つまり、藤井の更迭は亀井に対する小泉の宣戦布告であり、多くの道路族を抱える大派閥橋本派への揺さぶりでもあった。

 
   「公団」に巣食う亀井静香と古賀誠

 小泉が所属する森派会長の森喜朗をもってしても説得できず「変人以上の変人だ」とか「もうサジを投げたよ」といわせしめるほどの小泉の意思の強さは、勘ぐれば、「日本道路公団」民営化のプロセスで、橋本派の道路族や亀井の急所を握り、“検察”にリークする体制をとっている。したがって“検察”は“政界ルート”を意図的に外しているとしか思えない。だとしたら「イレズミ大臣」の異名をとった小泉の祖父にもまして“ケンカ上手”であり、参議院選挙に向けて“刺客”を“郵政反対”の造反組に放つといった荒業は「自民党をぶっ壊す」という並々ならぬ覚悟によるもので、それが“強権”だ“独裁”だと批判する側の急先鋒が亀井静香である限り、説得力を持たなくなっている。
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 疑惑だらけの代議士 亀井静香の虚像と実像
 
    [亀井静香プロフィール]

  (12) 右翼大物を「道路公団」へ亀井が橋渡し?!
  (11)“亀井凋落”で「橋梁談合」政界ルートへも飛び火か
  (10)“刺客”ホリエモンに唖然たる亀井
  (9)「学会が政権に影響力を持つのは危険」と吠える
  (8) 仕手集団「コスモポリタン」との株取引
  (7)「住都公団」への“口利き”で秘書に疑惑
  (6) 亀井に多額献金の不動産業者が“逮捕”
  (5)“審査不合格”の「ジェイ社」に“温情”の「道路公団」
  (4) 「那覇空港」警備業務に喰い込んだ「ジェイ社」
  (3) 「JAL」の“アルバイト客室乗務員”採用計画を潰す
  (2)“似て非なる”亀井ファミリー会社
  (1) 石原慎太郎をポスト小泉に擁立か

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