シリーズ パチスロ「アルゼ」の仁義なき商魂(1)

「あるぜ君」に“籠絡”された大手週刊誌

 『週刊文春』『週刊新潮』などに毎週“あるぜ君”が登場しているのを読者は周知のことだろう。これはパチスロメーカー「アルゼ(株)」( 江東区有明・阿南一成社長)の広告だが、今年2月24日号で138回も両誌に掲載されている。

 単純に計算すると約2年半の間、この2誌に連続して掲載しているのだから、1頁60万円(『週刊新潮』の定価)として1誌に約8千300万円。2誌で約1億6560万円を「アルゼ」はこの広告に継ぎ込んでいるわけだ。

 この「アルゼ」は昭和48年6月に「ユニバーサル販売」という名称で設立され、創業者の岡田和生は、この「仕置人」にシリーズで登場している“悪徳金権政治家”の代議士亀井静香とは盟友で、その亀井をバックに“違法パチスロ機”を製造、販売した過去もある。その後もさまざまなスキャンダルで話題になり、とくに大株主の元役員Y・Hとは愛人関係にあった、ということが一部で書かれたこともある。

 その他にも息子を取締役から外したりで社名を「アルゼ」に変え、年商1000億円を超える上場企業となっても、ほとんど岡田和生のワンマン体制は変わらなかった。

 しかし、昨年9月22日付、警察OBで元参議院議員(平成10.7.26〜16.7.25)の阿南一成が新社長に就任し、“集団指導体制へ移行する”とはいうものの、西武の堤義明並みに、岡田和生の親族だけで約80パーセントの株を所有している以上、“集団指導体制”など絵に描いたモチ。したがって今後もスキャンダルに見舞われそうなことから、“警察OB”をトップにすえてガードさせようとの魂胆が見え見えで、マスコミ対策にも抜かりがないようにとの気配りが“あるぜ君”の広告掲出ということなのだろう。

   

   毎週大手週刊誌に掲載されている「アルゼ」の広告

 ところがこの“あるぜ君”の138回(2月)には、「文芸春秋社」の発行する媒体の編集長まで歴任した勝尾聡という雑誌宣伝部長が顔写真入で載っている。勝尾は男前だから観賞には耐えられるが、なんとも節操がない。

   
       無節操な勝尾聡

 “あるぜ君”という広告には、本来の広告の目的である“パチスロ”も“パチンコ”も“カジノ”もどこを見てもPRなし。イメージ広告という範ちゅうにも入らなくて、毎回著名人の「余暇の過ごし方を提供することによってわが社のエンターテイメント・・・」と「アルゼ」広報では言う。

 前記2誌の販売部数は約100万部といわれており、それぞれに影響力がある。これまで大新聞が書かない政・財界スキャンダルを果敢に書いてきたこの2誌にさえターゲットにされなければ、という思いは当然として「アルゼ」にある。そこで「アルゼ」は“保険”の意味で2誌に“広告”によってカネを配っているわけだ。

 ある広告代理店幹部は「われわれも仕事だから、口止めとしての広告の掲載をクライアントから依頼されればやります。しかし、あんなダーティな企業に乗せられて、『週刊文春』の元幹部が原稿を執筆することは節操が無さすぎます」と吐き捨てるように言った。

 これでは、警察OBを社長に迎えてその権力を誇示し、遊戯機の許認可を有利に取得しようとする「アルゼ」は、少なくとも前記2誌が積極的にスキャンダルを暴くことはしないだろうとタカをくくっている。
[戻る]
Copyright (C) Kusano Hiroshi. All Rights Reserved.