―シリーズ西武― 西武と堤義明の“悪業”を暴く <7>

 ゴネて補償金をせしめた西武商法


 これは、西武が新幹線予定地を妨害して工事に支障をきたしたという問題で、社会党の楯兼次郎が、1963年3月の衆議院予算委員会で追求している。

 「昨日私伊豆箱根鉄道(西武系)と新幹線の立体交差の場所へ行って見てきたわけですが、こんなバカげたことが今どき行われていいかどうか。現場へ行ってみると、新幹線がずっと来ておる。
そこへ伊豆箱根鉄道が廃止した鉄道床ですね。昭和6年に当時鉄道省から20万円も補償を取って、三島〜下土狩間の路線をまくって廃止したわけですね。ところが昨年4月、新幹線の通るまん前200メートルにわたって築堤を2メートルカサ上げをして、そこに橋台を鉄筋コンクリートにして橋をかけますよ。

こういって真っ赤な橋桁が上に置いてあるのですね。つまり通せんぼして、国鉄に補償要求をやろうとしておる。(中略)補償金を取るためのじゃまが、白昼堂々と行われておる。200メートルカサ上げしていくらかかるだろうと技術者某に聞いてみますと、1500万円から2000万円ぐらいかかるというのです。(中略)ここで疑惑がおきますのは、昭和6年に取った補償金は一体時効にかかっているのかどうかという点で、それからまだ免許が下りないのに200メートルだけ工事してしまったことに対して、運輸省はどんな処置をとったのか。」

 これに対して当時の運輸事務次官の岡本は、「伊豆箱根鉄道の下土狩〜三島間の申請は、目下名古屋運輸局に提出してございます。まだ調査書は本省にあがってきておらない状態でございますが、手続きを踏まないで工事をしておったということがわかりましたので、現地の陸運局長から当該会社に注意をいたしまして、その結果工事を中止いたしておるそうでございます。」と答えている。

 以前に補償金を払ったのに旧国鉄側は、400坪のこの土地を、1坪1万円から1万5000円で買いたいと要請したが、2年たっても3年たっても康次郎は同意しなかった。この間新幹線工事は大幅に遅れ、旧国鉄側は大いに困惑していた。

 こういう国鉄の弱みを康次郎が見逃がすわけはなく、ワナにはまった旧国鉄に対して、次々と難題を吹っかけていった。

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