―シリーズ西武― 西武と堤義明の“悪業”を暴く <27>

「驕れる者久しからず」の典型的な末路

 70歳の堤義明が、3月3日、東京地検特捜部によって逮捕された。30年間「西武」の悪徳商法を追求してきた“仕置人”にとっては感慨無量だが、その感慨は、堤家に生まれ、「西武グループ」の主流を継承させられた義明の“宿命”への憐憫の情なのかも知れない。

 
  「西武」の本流を継いだ“孤独な独裁者”

「友だちはつくるな。利用されるだけだ」と故康次郎の“家憲”の呪縛から逃がれられなかった義明の栄華は、「平家物語」の<驕れる人も久しからず、只春の夜の夢のごとし>に言いつくされているような気がする。それにしても、義明の父の康次郎は「事業家というものは、いつも刑務所のヘイの上を歩くようなものだが、決して内側へ落ちるな」を実践してきたが、このシリーズ「西武」の前半で述べているように、日本一の選挙違反で、危うくヘイの内側に落ちそうになり、辛うじて逮捕を免れたが、間もなく他界した。

 衆議院議長という“三権の長”に登りつめていながら滋賀県「県史」に名を残すことはできなかった。

 公共の資産をとり込み、税金は極めて小額で済ませ、次から次へと事業を膨張させ、有頂天になってヘリを康次郎の墓参に飛ばしたことから総会屋につけ込まれて、これが“利益供与事件”に発展した。この時点では「西武鉄道」の“利益供与事件”としか義明は捉えていなくて、「西武鉄道」の会長だけ辞職した。

 この義明の辞職は昨年4月で、その1ヶ月後に、株をコンピューター上で取引する“ペーパーレス化”が将来導入されることで公表を恐れて売却に踏み切ったとされているが、おそらく“利益供与事件”での警視庁のガサ入れで「西武鉄道」偽装名義株疑惑が浮上したものと“仕置人”はみている。


堤家を守ろうとしたばかりに残した“家憲”がアダになり義明はヘイの内側へ落ちた

康次郎の「自己を捨て、家の繁栄をはかれ」との“家訓”を守ろうと専制君主を貫いたが故に“傲慢”“不遜”“独裁”を身につけ、気がついた時には「裸の王様」で、耳ざわりのいいことしか言わない者を側近に置くという“権力者”が辿る奈落への坂道を転げ落ちていった。
 また、時の総理大臣が小泉純一郎でなく、抵抗勢力の誰かが総理大臣だったら義明はヘイの外側へ落ちていたかも知れない、と思うほど小泉は捜査に介入しなかったという。

 
 全ての役職を辞職したことを伝える新聞記事

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