―シリーズ西武― 西武と堤義明の“悪業”を暴く <21>

“逮捕もある”義明の「栄枯盛衰

 義明の絶頂期といえば、1998年に総勢1万人の招待客がこぞって“謁見”した「高輪プリンスホテル」にオープンした「さくらタワー」の開業記念パーティーだろう。元総理の羽田孜、竹下登、村山富市から、この後総理になった森喜朗。

  
  “サメの脳みそ”とヤユされた元総理の森喜朗と猿岩石「さくらタワー」にて

女優の沢口靖子、南野陽子や歌手の中森明菜から、スポーツ界、そして、ほとんど義明と同時期に巨人軍オーナーを辞めたナベツネこと渡辺恒雄も顔を見せた。

 
 それにしても嫌らしい目付の堤義明(左:南野陽子、右:中森明菜)
 「高輪プリンスさくらタワー」のオープンパーティで(1998年)


 とくに義明の隣で満面に笑みをたたえているのは沢口靖子(写真)で、このパーティーの5年ほど前から「プリンスホテル」のCMに出演していて、西武関連のイベントには必ず顔を出していた。

 
 '90年ごろから堤義明の“寵愛”を受けていた沢口靖子(左)「さくらタワー」にて

'95年に沢口は「 千代田区 一番町」に事務所を設立、メインバンクを旧「三和銀行」から旧「第一勧銀」に変更している。「第一勧銀」は義明のメインバンクであり、そうしたことから義明とは“親密な関係にある”と囁かれていた。この「さくらタワー」のパーティーで己の力を誇示した義明は、2002年4月24日に、今度は「品川プリンスホテル」の「エグゼクティブタワー」のオープンパーティーを開き2万枚もの"招待状"を送ったという。

 
    小泉首相も出席した「品川プリンス」のパーティ(2002年4月25日)

 こうして小泉純一郎という現総理を迎えることのできた義明は、自分も権力の頂点に立ったと勘違いし、これで「西武グループ」のどんな“違法”にも当局は手を出さないとご満悦だったにちがいない。この「エグゼクティブタワー」には、“日本初のホテルシネマ”と銘打った映画館をオープンした。この年の8月、義明は大倉財閥が創設した名門「川奈ホテル」を買収している。

 それから半年後の'04年3月に「西武鉄道」が総会屋に対する利益供与を行ったとする「商法違反事件」が発覚、義明は「西武鉄道」会長を辞任したのだった。そして義明は'04年10月に「有価証券報告書虚偽記載」が表面化して「西武鉄道グループ」全役職を辞任するに至った。いま巷間囁かれているのは、今春早々から「カネボウ」と「堤義明」と2つが“特捜案件”とし東京地検特捜部内で固まっており、“特殊直告一班”で「カネボウ」、“同二班”が「西武鉄道」を捜査する方針で、検事総長の松尾は「トップを取らなくてどうする」と頼もしい指示を出している。

 それにしても父康次郎と同様に、晩節を汚してしまった義明の脳裡に去来するものは、華やかだった「プリンスホテル」でのパーティーの栄華のひとときかも知れない。

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