―シリーズ西武― 西武と堤義明の“悪業”を暴く <20>

“株担当者自殺”“愛人宅は売却”“自宅にも抵当権”
 そして“「女帝」との逃避行”の義明の近況


“ドブに落ちた犬を叩く”のはマスコミの常套手段だが、ドブに落ちた“義明の近況”は、「しとど哀れを催しにけり」で「金融グループ」からの債権回収に追い立てられている。金融機関は、「西武鉄道グループ」16社に対して、総額1兆2,566億円を貸しこんでいた。その内訳は「みずほグループ」で3,230億円で全体の4分の1になる。

 次は「三菱東京グループ」が2,144億円「三井住友」が870億円。「UFJグループ」は668億円で、「みずほ」と「東京三菱」は再建に手を貸すというが、他行はすでに資金の回収を図り、圧力をかけている。メインバンクの「みずほファイナンシャル」の貸出し残高が2,522億円あり、「西武鉄道」向け融資の不良債権化を恐れている。もともと「西武鉄道グループ」への融資は、「旧第一勧銀」系の案件であり、「みずほグループ」の「旧第一勧銀」系行員の肩身が狭い。

 今回の「有価証券報告書」の“虚偽記載”によって「西武鉄道」は管理ポストに入り、特に株価の下落によって大量に株を保有している「コクド」の財務は悪化している。したがって金融機関は、“債務者区分”を「要管理先」に格下げしたともいわれ、そうなれば「貸倒れ引当金」を大幅に積み増ししなければならなくなるという。そうしたことから「西武鉄道グループ」の中核である「コクド」の原宿ビルと、義明が10月まで住んでいた西麻布の邸宅に極度額330億円の"根抵当権"が設定されていた。これは本年度末までの資金繰りのためで、限度枠内で新規の融資を受けた、といわれる。また「西武鉄道」所有の 杉並区 天沼3丁目にある1,600坪の土地と邸宅を21億1,500万円で 杉並区 に売却した。

 この“売買契約”は12月15日で、「西武鉄道」が上場廃止に追い込まれる前日だった。この邸宅は、1973年まで営業していた「池畔亭」という料亭を改築して"愛人"に住まわせていた。30年ほど前に銀座のクラブで見初めホステスを、“愛人”として住まわせていたのだが、名目は「西武ゴルフ」の研修所。それなら固定資産税から光熱費まで、ゼーンブ「西武ゴルフ」が支払っていたのではないのか。だとしたら義明は、“愛人”を会社の経費で住まわせていたことになる。

 たぶん「西武ゴルフ」は、「研修所を管理していた社員」と申し開きをしてきたのだろうが、それが通ってきたのなら税務所もチョロイもの。義明の康次郎から引き継いだDNAは健在で会社にも秘書として常にそばにいた“側室”がいたという。「週刊新潮」によれば、この「秘書課次長」の“愛人”とは20年以上義明は親密な関係で、「コクド」の“女帝”と呼ばれ、プリンスホテルのインテリアにまで口出しするのだという。

 この“愛人秘書”は義明が「西武鉄道」株の「有価証券報告書」の虚偽記載問題で会長を引責辞任したころから「コクド」に姿が見えなくなり、12月15日付で退職しているという。そして自殺したK・Yは株式事務の担当者で、大量株売却問題発覚以降は取引先からの買戻し請求などへの対応に追われていたことが報道されている。株を分散するために、ピーク時には2000個もの印鑑を用意、退職者の動向や配当金に気を配りながらの作業は神経を使う。"虚偽記載"発覚後は、「SEC」(証券取引等監視委員会)の調べはK・Yに集中した。さらに今春早々からは、おそらく東京地検の捜査が始まる。

 歪んだ忠誠心は「自分がいなければ・・・」と思い詰めたのだろうが、そのころ義明は“女帝”といわれた“愛人秘書”と逃避行をつづけているらしく、まったく姿を現わさない。
  

堤義明が“屈腹”した日(2004年10月13日)

  
“愛人”が住んでいた邸宅も売却

  
『週刊新潮』 ('04.12.30)より

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