―シリーズ西武― 西武と堤義明の“悪業”を暴く <15>

 鉄道廃線敷と川越市の一等地を“等価交換”

 さて、先代康次郎の“妾腹の子”である堤義明を評して、康次郎の番頭格だった岡野閑治は「義明さんの考え方も仕事の進め方も先代そっくり」と言っていたというが、前項の「京都プリンスホテル」と同様に、こちらは 埼玉県川越市 の市有地と“鉄道廃線敷”を等価交換した問題。川越市 は、1981年7月31日付で、「西武鉄道」の所有地3918.2平方メートルを約8億で買収し、「西武鉄道」は市有地2750平方メートルを約8億6000万円で買収した。これは実質的な“等価交換”なのに、市側は交換では国から補助金の給付を受けられないことから、売買の形式をとったものだというのだから、 川越市 は国から補助金を騙し取ったことになる。

 この土地の“売買”は元市議会議員の金子良雄に「市長は市有地を西武鉄道に安く売ったので、正当な差額分を市に賠償せよ」との監査請求が起こされた。そして「西武所有地は利用価値が少なく、反面市有地は高価な土地であるにもかかわらず、東口開発事業との関連を名目として、市は西武鉄道から時価よりも高値で買収、市は逆に時価よりも安値で交換したかの如くよそおって売却したもので、この売買の無効と、市に与えた損害を市長は賠償すべきである。」というものだった。

 金子良雄が、もうひとつ問題にしていたのは、市有地の売却が一般競争入札でなく、随意契約によるものであることを、地方自治法に違反すると指摘した。この監査請求は、「市に損害を与えたという根拠は見当たらない」とはねつけられた金子は、差額の「2億1000万を賠償せよ」と浦和地裁に提訴した。しかし浦和地裁は「原告主張のような損害が、市に発生したことの証明がない」として'83年11月21日、原告の訴えを退けた。金子はこれを不服として東京高裁に控訴した。

 当時市長の川合喜一は「価格は鑑定を経たものであり、正当であると考えている。また市としては、東口再開発事業予定地の地権者に対する代替地としても欲しかった」と語っていた。
 
廃線敷の“雑種地”

川越駅前の“一等地”

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