―滋賀県― 豊郷町小学校舎破壊損害賠償訴訟 最高裁は大野町長を“門前払い”

“仕置人”が現地取材によってレポートしてきた豊郷小学校問題は、去る6月8日、最高裁判所は豊郷町長大野和三郎の上告を棄却、350万円の支払いを命じた大阪高裁判決が確定していた。

滋賀県・大野町長
法治国家にはそぐわない大野町長
滋賀県・豊郷町役場
豊郷町役場

 この問題は、豊郷町住民側が“校舎解体差し止め”仮処分を申請、大津地裁が“解体差し止め”の仮処分を命じた。ところが町側は翌朝、校舎の窓ガラスを壊し、窓枠を取り外すなどの解体工事に着手するという暴挙に出たため、それを阻止しようとした主婦が工事関係者に突き倒されるというシーンがテレビで全国的に放映された。

 この暴挙に対して町側の代理人弁護士は「仮処分には法的拘束力はない」と寝とぼけたことを言ってひんしゅくをかった。

 豊郷町長の大野和三郎ら町側は、豊郷小学校改築のためには、東洋一と言われたウィリアム・M・ヴォーリズ(近江兄弟社創立者)が設計した旧校舎を解体して、同じ敷地内に新しい校舎を設立するというもの。

 これに対して町民が怒り、町長リコールの住民投票が実地され“解職賛成派”が勝ち、大野は失職した。ところが大野は、その日のうちに町長選への立候補を表明、旧豊郷小学校の“解体派”と“保存派”が真っ二つに別れて争うものと思いきや“保存派”の票を割るべく大野と結託した元町長も立候補を表明し、三つ巴の選挙戦が展開され、僅差で大野が再選された。

 この頃大野は学校を車に例えて「新車に勝る中古車はない」という“迷言”を残している。
 そして、町長に再選された大野は旧校舎を保存することを考えながら、一方では新校舎建設にすぐさま取りかかり、工事を請け負った「桑原組」に10億円余りを支払った。

東洋一といわれた旧「豊郷小学校」校舎 汚れた町長の手で建てられた“違法”な校舎が、
複雑な運命にさらされてゆく。

 この新校舎建設の工事代金に疑問をもった住民が「公金支出差し止め」の訴訟を大津地裁に起こした。その結果、平成15年12月22日、大津地裁は「被告は、豊郷町立豊郷小学校の新築工事にかかる工事代金を支出してはならない」との判決を下したのだが、その判決の直前に残りの工事代金7億1,000万円を「桑原組」に支払っていた。

 この「桑原組」の創業者は元山口組系暴力団員でトラブルが絶えなかったが、武村正義が滋賀県知事時代に大きく業績を伸ばし、県内最大のゼネコンに成長した。

 「桑原組」は、豊郷町から7億1,000万円の支払いを受けた直後に経理部長ら3人が“有印私文書偽造・同行使”の疑いで昨年1月に逮捕され、「桑原組」は建設業許可取消しの行政処分を受ける可能性があったが、すぐさま“廃業”してしまった。
 したがって、豊郷町住民の小学校工事代金返還請求訴訟も、相手が無くなってしまった。

 しかし、「桑原組」は「KEC」という会社を設立、従業員を「KEC」に移し、「桑原組」が受注している滋賀県発注の公共工事は、新会社の「KEC」が引き継いでいた。


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