水谷建設事件 検察の尻馬にしか乗れないマスコミのていたらく

 インターネットマガジン『週刊仕置人』の姉妹紙『環境ジャーナル』(タブロイド版8頁)は1984年に草野洋が『新政経情報』として創刊したものだが、この『環境ジャーナル』の2003年9月1日号で、すでに<東京電力・福島原発残土処理で「利益供与」>、<下請けの「水谷建設」(三重県)がリベートで>、<名古屋国税局が「所得隠し」と認定>などの見出しで書いている。

 それ以前に、この記事は中部地区版『読売』(03.7.18)の女性記者のスクープだった。当然『朝日』も夕刊で後追いしたが、残土処理を発注した「東京電力」のお膝元である東京版や全国版には記事が出なかった。しかし中部地区版『読売』の見出しには〈東電も把握か〉とあり、「リベート支払いには東電も関与している疑いが強まっている」と明記している。

 そこで『読売』と『朝日』の名古屋支局に「何故東京版に出ないのか」と聞いた。『読売』の女性記者は「東京にも原稿は送ったのですが」と言い、『朝日』の担当者は「説明ができなくてすみません」とコメント。

 名古屋国税局に対しては、「この原発残土処理は、東京電力の株主であるコンサルタントへの利益給与なのに、なぜ検察へ告発しないのか。国税は、1億3000万円の課徴金さえ納めさせれば事足りると思っているのか」と質したが「やることはやっている」という返事。

 それから2年ほど経てから、某紙の司法クラブ詰め記者から「東京地検が水谷建設を捜査している」との情報が入った。ところが捜査は進展せず、業を煮やした筆者は昨年『環境ジャーナル』(05・7・1)に<検察の捜査は休止状態>の見出しで書いた。同紙には<福岡県知事“実弟企業”に融資した「前田建設」と“実弟企業”から高値で土地を買った「水谷建設」>、<それもこれも“原発”を持つ「東電」のため>、<福島県知事親族企業疑惑>、<原発再稼動への布石>のタイトルで記事を掲載したが、マスコミには無視されてきた。

 ところが今年春ごろから東京地検特捜部が関係者の事情聴取を始めたことから3年前の『環境ジャーナル』が注目され、新聞各社からの問い合わせや取材申し込みが相次いだ。 (つづく)

[戻る]
Copyright (C) 2006-2007 Kusano Hiroshi. All Rights Reserved.