| <連載レポート> ―歪められた人権― | |
“境界型人格障害”の女 親が築いた事業と資産を独りじめしようとする実弟が、警察とグルで実姉を不当に拉致監禁、その揚句精神病院をたらい廻しにされ、戸塚ヨットスクールに送り込まれた。 そして脱走してまた実弟に精神病院ヘ―。 “精神病”と診断されたわけでもない一人の中年女性の歪められた人権を追ったショッキングレポート。 |
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| こうしたケースも新聞報道されている (クリックで拡大)⇒ |
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| <第1回>精神病院から「助けて!」 | |
平成8年7月の初旬だった――。 「○○先生のご紹介で電話をしました。わたしは山本町子(仮名・以下M子)といいます。6月6日から三鷹の長谷川病院に監禁されています。一応入院なんですが、わたしは精神病患者でもないのに、ここに入院させられているんです。私が精神病患者でないという証拠は、ここの病院の中沢副院長もそう言ってくれてますし、薬の1服も、注射の1本も打ちようがないから、何でもないんです」 「私をこの世から抹殺したい弟とグルの麹町警察の山崎係長と他に2人の計3人の警察官が、6月6日の朝に、弟と「警察で話し合いましょう」と言って麹町署入っていった私を、いきなり2階の取調室のようなところへ山崎が連れて行き、入口のドアを閉め、私の手を後手に縛り、そして警察の車に押し込められてここの病院に運ばれたのです。ここの病院には警察のOBが部長として就職していて私たちの到着を病院の玄関で待ちかまえていました・・・」 「・・・私、弟に前にも墨東病院、アヤメ病院とつれ廻され、病院では精神患者でない私に困り、アヤメ病院からは全日救という施設の救急車で私はネマキのまま白衣の男二人と出発、九時間もかかって着いたところがあの戸塚ヨットスクールだったんです。私のアメリカのフィアンセであるGと友人の評論家の加瀬英明はヨット仲間で石原慎太郎さんとも知り合いだったりして、戸塚ヨットの戸塚と加瀬とで私のことについて相談してくれたりしたらしいのですが・・・」 “仕置人”は、腕がだるくなるほど長い時間受話器を持ちM子の話に耳を傾けていた。あのスパルタ教育で少年を死に追いやった戸塚宏が、現在も同じように戸塚ヨットスクールを開校していたことにも驚いたが、麹町警察署員の行動や精神病院におけるM子への対処の仕方は、微妙なだけに重大な人権問題をも含んでいて、一方では戦慄を覚えるほどだった。 こうした電話によるSOSの主であるM子の話が事実ならば、これらに関与した人々の反社会的行為や、M子の弟である山本和孝(仮名)、また山本和孝の要請に、警察官が一人の人間の人権を無視した不法監禁まがいの暴挙に出ていた事になり、看過することができず、その周辺取材を開始した。 M子が、精神病患者として、東京都衛生局の指定医2名の診察を受け、東京都の車で精神病院に搬送されたのではなく、保護義務者としての弟の要請で、警察が直接精神病院ヘM子を送り込んだことに問題がある。そこで、M子から聞きだした人間関係を片っ端から電話取材した。しかし、M子が精神的異常者だという証言は、弟の和孝のみで、以前勤務したことのある石川県能登和倉温泉の加賀屋旅館も、パートで働いたことのある金沢市内の某商店社長、、金沢婦人相談所の所員、また親せきすじの都内のホテルの経営者などなどに話を聞いても、いずれも「普通に働いていた」とのことだった。 そこで、医師の診察によらない入院では不当性が強いという判断から、ともかくM子を病院から出すために、長谷川病院との交渉を始めた。 平成8年7月9日に、前日の電話連絡でM子への面会許可がでたので長谷川病院へ出かけた。ところが保護義務者の弟から「面会させるな」とのことだから面会させることはできないとNケースワーカーが言う。押し問答の末、担当医である中沢副院長に会わせてくれと交渉、やっと中沢副院長に会うことができた。 中沢副院長は、「さあ、かくし事は一切有りません。何でも聞いてください」と開き直りともとれるように胸を張った。 「M子さんは、中沢先生は同情的でよく相談に乗ってくれるし、あんたは病気じやないとまで言ってくれると感謝してます。M子さんは精神病患者・・・・・・つまり精神異常者なのですか。こういう病院で治療を受けなければならない病気なのですか」と“仕置人”は尋ねた。 すると「M子さんは任意入院の書類にサインしないんです。任意入院であることにサインして、退院したい旨を届ければ、法律的に72時間以上当院としては拘束できませんからね」と言う。「だいいち、医療保護者の弟さんが来て手続きすべきなのに何の連絡もなく、第三者の草野さんが来ても退院させるわけにいかんでしょう」 確かに中沢副院長の言う通りだ。 「しかし中沢先生、その保護者が、強引に彼女をら致して病院に警察を使って入院させたんですよ。弟さんは姉のM子さんを、かつては墨東病院、そこがダメならアヤメ病院と精神病院に警察を使って入院させ、病院側も対応に困るや、弟さんはこんどは戸塚ヨットスクールに送り込んだんですよ。3百数十万円ものお金を出してですよ。そこまでしても、弟さんはM子さんを幽閉したいんです。こうした対立関係にある人間をですよ保護者としておいていいんですかね。精神異常者じやないから、当院としても薬も注射も何もやっていないじやありませんか。そうしたら正常な人間ということでしょう。その正常な人間が、外部の私に電話で助けを乞うて来ている。これは不当な監禁じやありませんか」 「それならばM子さんが任意入院に切り替えてくれれば、法的に処理しますから」と中沢副院長は言う。 そこで長谷川病院を退散したが、M子は、「ら致監禁で入院させられたのに、任意入院にサインしたら、弟の不当性を問えなくなるから任意入院にサインするよう書類は中沢副院長から預かっているが、サインはしない」、と電話で言ってきた。 これも理屈は通っている。長谷川病院としても、企画広報部長のポストにある麹町警察のOBが手引きをしたような不当な入院を、任意入院にサインさせることで弟は問題と責任を回避できるわけだから、そうした不当性を許せないと言うM子としては「任意で入院しました」という書類にサインをしたくないのは当然。ところが任意入院に切り替えない限り退院はできない。医療保護入院では弟の了解をとれない以上退院はできないのである。 |
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<第1回>精神病院から「助けて!」 【06/11/17】 <第2回>医療保護入院 【06/11/24】 <第3回>警察の拉致監禁 【06/12/01】 <第4回>実弟による拉致監禁(M子の「陳述書」) 【06/12/08】 <第5回>実弟がM子を戸塚ヨットに運ぶ 【06/12/15】 <第6回>病気ではない病気 【06/12/22】 |
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