それ見たことか――<辞意撤回>“国連崇拝主義”を掲げる小沢一郎の“変節漢”

 去る11月2日、自民党総裁福田康夫と連立政権構想について“密室談合”を終えた民主党代表の小沢一郎は、その政策協議入りを役員会で全員一致で拒否されてしまった。

 これに対し小沢は「不信任を受けたに等しい」として「辞職願い」を幹事長の鳩山由紀夫に提出したが、党幹部の説得で2日後には撤回した。小沢には、「自分が代表だから7月の参議院選挙で大勝し、過半数を確保できた」といった評価があるため傲慢な本性が頭をもたげたのだろうが、党内のコンセンサスを無視し「絶対党内をまとめる」とは狂気の沙汰。念のために言えば、年金問題や官僚の不祥事で自民党が泥舟になり沈みかけていたから民主党が浮上しただけの話。

 小沢としてみれば、7月29日の参議院選に向けて示したマニュフェストの<政治とは生活である。国民の生活が第一>をキャッチフレーズにして、子ども1人に月額2万6000円を支給するという「子ども手当」や農家への「戸別所得保障制度」の創設などで15兆3000億円を捻出しなければならない。しかし提出した法案が通らないことへの焦りが出てきた。そこでこのままでは公約を実現できないことから次期衆議院選挙への不安が増し、小沢を“大連立構想”へと突き動かしたのだろう。

 しかし“政権奪取”を声高に叫びながら、目標を達成するためなら敵対する自民党と連立を組むというのは、子どもを欲しい女房が、隣りの亭主から子種をもらって妊娠するようなもので、目的のためとはいえ、いささか節操がない。小沢が“変節漢”と言われるゆえんでもある。

テロ特措法での支援は違憲で「ISAF」でなら合憲の矛盾

「アフガニスタンの戦争はブッシュ米大統領が『米国の戦争だ』と言って、国際社会の合意なしに米国独自で始めた。日本の直接の平和、安全と関係ない区域に米国や他の国と部隊を派遣して、共同の作戦をすることはできない」と8月8日に民主党本部を訪ねたシーファー米駐日大使に小沢は告げ、「国際社会の合意を取る努力を最初にしなければならない」との自論も述べた。

 これは一つの見識であると“仕置人”は評価したいところだが、『週刊仕置人』(8月23日)に掲載したように「小沢一郎はどこまで米国に逆らえるのか」ということ。

 案の定小沢は「国家の自衛権を超えたものが国連の平和活動であり、たとえ武力行使を伴うものでも、国連決議による平和活動への日本の参加は、ISAF(国際治安支援部隊)であれ何であれ、憲法に抵触しない」とか、「自分が政権をとれば、アフガンのISAF及びダルフールで虐殺を行っているスーダンへのPKO(国連平和維持活動)への日本の参加を実現したい」などと『世界』(11月号)で述べている。

 つまり、国連機関であれば集団的自衛権の行使に踏み切るべきで、これは憲法違反にはならないという。国連決議さえ通れば、虐殺が行われているスーダンへのPKOにも自衛隊を参加させることができるということになる。そうした場合、殺るか殺られるかが戦争であってみれば、“不戦の誓い”を込めた憲法9条に背くことではないのか。

 これほどの矛盾を抱え込んでも“国連”を重視するということは、結果的にアメリカの意に加担することになる。それは「国連はアメリカの国連」といわれるように、実態はアメリカが牛耳っているからだ。
 アメリカに従順にならざるを得ない立場の小沢が民主党代表であるが故に自民党との対立軸を示さなければならない。それ故にテロ特措法の延長に反対したにすぎない。
 この度の小沢の“辞意撤回”は、すねてご機嫌を損ねた“だだっ子”そのもの。「三つ子の魂百まで」というように、いつ“変節クセ”が出るかわからない。嫌になったら「ヤーメタ」では、とても総理大臣の器ではない。


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