| 米国が離脱したままの「京都議定書」 |
ロシア政府が9月30日に「京都議定書」を批准する方針を決めた。数ヶ月以内には議会を通過する見込みだと10月1日付の各新聞が報じた。 地球温暖化防止は、人類にとって21世紀最大のテーマだ。1997年12月初旬に京都で開催されたCOP3(気候変動枠組4条約第3回締約国会議)で、2010年のCO2等温室効果ガス排出水準を「1990年に比べ先進国が5.2パーセント削減する」ことで合意した。今後、CO2の排出が増加するインドや中国が対象になるのは、21世紀のかなり先になると思うが、ともかくこの「京都議定書」が7年前に採択されていた。この採択に加わったのは118ヶ国だったが、'01年3月28日にブッシュ米大統領は“離脱”することを表明した。 このブッシュの“離脱表明”には米国内でも「クリントンからブッシュに政権が代わっただけで、米国だけが交渉のテーブルから去るなど考えられない事態だ。燃料業界の揺さぶりがうまくいったということだ。方針変更の裏に、真剣な政策的な検討は何もない」などの批判が相次いだ。 地球上の温室効果ガスの25パーセントを出している米国抜きに、地球温暖化対策は考えられない。にもかかわらずブッシュは「状況が変わった。米国の経済を傷つけてはならない。国民の利益を守ることが第一だ」と言い切った。これでは、米国経済と米国民の利益を守れれば、他の国はどうなっても構わない、という論理だ。 「京都議定書」が発効するには、55ヶ国以上が批准し、批准先進国の'90年時点の排出量が先進国全体の55パーセント以上になる必要がある。しかし、ここでロシアが批准を閣議決定したことで、来年前半にも発効の見通しとなった。 これは今年5月21日、モスクワで開かれたロシアとEU(欧州連合)の首脳会議で、6年越しのWTO(世界貿易機関)への加盟交渉が決着したことで、EUが求める「京都議定書」の批准を「促進させよう」と発言していたが、これをプーチンが実行したことになる。 それにしても主催国であり議長国であった日本は、'02年5月30日にEU15カ国が「京都議定書」を批准したことから、慌てて同年6月4日に閣議決定したが5年も経ってからの74番目だった。 |
| [戻る] |







